金融・保険

外貨MMFを買うならどこがいい?証券会社別の特徴と選び方ガイド

※記事内に広告を含む可能性があります。

外貨MMFを買うならどこがいいかと考えている方へ。本記事では、外貨MMFを初めて購入する方にもわかりやすく、商品の特徴や購入先、手数料、利回り、メリット・デメリットまで詳しく解説します。最近注目される外貨MMFですが、どの証券会社で買うのが良いのか、どの通貨建てを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。この記事を読めば、外貨MMFの基礎から、あなたにとって最適な選び方まで一気に理解できます。

  1. 外貨MMFを買うならどこがいいかが理解できる
  2. 外貨MMFのメリット・デメリットを知ることができる
  3. 各証券会社の取扱商品や手数料の違いがわかる
  4. 外貨MMFと外貨預金、MRFとの違いが理解できる

外貨MMFを買うならどこがいい?商品の特徴と購入先

  • 外貨MMFとは?なぜ今注目されているのか
  • 外貨MMFに投資するメリット
  • 外貨MMFがおすすめしないと言われる理由
  • 外貨MMFの気になる利回り
  • 外貨MMFはどこで買うのが良い?
  • 手数料の比較
  • 大手証券会社における取り扱い例
  • 口コミサイトなどで注目されている商品
  • 外貨MMFの買い方 ― 基本的な流れと注意点

外貨MMFとは?なぜ今注目されているのか

外貨MMFとは、米ドルや南アフリカランド、トルコリラといった外国通貨を使って運用される投資信託です。「MMF」という言葉は「マネーマーケットファンド(Money Market Fund)」の略で、国債や地方債、社債など、格付けの高い短期金融商品を中心に投資が行われます。これらの金融商品は信用度が高く、安全性が高いとされており、一般的に元本割れのリスクが低い「安全資産」に分類されます。

最近になって外貨MMFが注目されている理由の一つに、相対的に高い利回りが期待できることがあります。たとえば、2024年9月時点では年率4%以上のリターンを目指せる商品もあり、利回りを重視する投資家にとって魅力的な選択肢となっています。特に米ドル建てのMMFは、安定したリターンが見込まれることから人気が高まっています。

以前の低金利環境では、外貨MMFの利回りもそれほど高くありませんでしたが、世界的に金利が上昇する中で状況は一変しました。今では、余剰資金の運用先としても有力な選択肢とされ、資産の一部を安全かつ効率的に運用したいと考える人々から関心が集まっています。

外貨MMFに投資するメリット

外貨MMFに投資する大きな魅力のひとつは、高い利回りが期待できることです。2024年9月時点では、年率4%以上のリターンが狙える外貨MMFも登場しており、投資家の関心が高まっています。たとえば、ソニー銀行の米ドル建て定期預金の金利が3.0〜4.5%となっていることを考えると、外貨MMFもそれに匹敵する利回りを目指せる選択肢です。これは、円預金や一般的な外貨預金と比べて非常に魅力的な水準です。また、外貨MMFでは利息相当額が毎月末に再投資される仕組みになっているため、複利効果によって資産が効率的に増えていく点も見逃せません。

安全性と安定性の高さ

外貨MMFは、比較的安定した資産運用を目指せる商品でもあります。投資先は、格付けの高い国債や地方債、社債など、安全性の高い短期金融商品が中心です。これらの資産は信用度が高く、価格変動も小さいため、外貨MMFそのものの元本割れリスクは株式投資などと比べて低いとされています。実際に、外貨MMFの基準価額の推移を見ても、株式のような大きな価格変動はあまり見られません。

分散投資に役立つ

外貨MMFは、資産の分散投資にも役立ちます。たとえば、日本株と米ドル建てMMFを組み合わせることで、リスクの高い株式と安定的な外貨資産を併せ持つことができ、資産全体のリスクを抑える効果が期待できます。また、日本だけでなく米国といった異なる地域への投資も同時に実現できるため、地域分散の観点からもメリットがあります。

高い流動性と柔軟性

外貨MMFは、流動性が高く柔軟に使えることも魅力です。満期がないため、いつでも解約でき、必要な時にすぐ資金を引き出すことが可能です。また、一部だけを解約することもできるので、急な出費などにも対応しやすくなっています。解約時にペナルティがかからない点も安心材料です。

少額から始められる手軽さ

外貨MMFは、少額から投資を始められるため、初心者にも向いています。証券会社によっては1,000円前後や10ドルといった金額から購入でき、手軽に外貨資産を持つことができます。さらに、積立投資に対応している証券会社もあり、毎月一定額を積み立てることでコツコツと資産形成することも可能です。

為替差益のチャンス

外貨MMFは、為替レートの変動によって為替差益を得られる可能性もあります。たとえば、投資時よりも解約時に円安が進んでいれば、基準価額が変わらなくても円換算での受取金額が増えることがあります。為替の動きを踏まえた資産運用を考えている人にとっては、大きな魅力の一つです。

税制面での優遇

税制面でも外貨MMFは有利な場合があります。外貨預金で得た利益(利息や為替差益)は雑所得として扱われ、一定額を超えると確定申告が必要になることがあります。一方、外貨MMFの売却益(為替差益を含む)は譲渡所得となり、特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば原則として確定申告は不要です。さらに、譲渡損失が出た場合には、他の有価証券の譲渡益と損益通算も可能で、税負担を軽減できます。

余った外貨の有効活用

外貨MMFは、外国株投資などで余った外貨を有効に活用する手段にもなります。たとえば、米国株を売却して得た米ドルをそのまま証券口座に置いておくと金利はつきませんが、米ドル建てMMFに投資すれば、その期間にも利回りを得られます。しかも、売却も簡単で、売却代金はすぐに外国株の買付余力として利用できるため、次の投資チャンスを逃さずに済みます。また、ウィブル証券のように、余った米ドルを自動的に米ドル建てMMFで運用してくれるサービス(Moneybull)を提供している証券会社もあり、手間をかけずに外貨を有効活用する方法も増えています。

外貨MMFがおすすめしないと言われる理由

外貨MMFへの投資には魅力もありますが、いくつか注意すべきデメリットが存在します。そのため、人によっては外貨MMFが適さないケースもあります。ここでは、代表的なデメリットについて詳しく解説します。

為替変動リスクがある

外貨MMFの最大のリスクは為替変動です。外貨MMFは米ドルや南アフリカランド、トルコリラといった外貨で運用されるため、最終的に日本円に戻す際に為替レートの影響を大きく受けます。もし投資時よりも円高が進んでいると、MMF自体の価値が変わらなくても、円換算した際の受取額が減少し、結果的に元本割れになる可能性があります。特に、トルコリラのように長期的に下落傾向の強い通貨建てMMFでは、高利回りに惹かれて投資しても、為替の影響で大きな損失を被ることもあります。

元本保証がない

外貨MMFは預金ではなく投資信託の一種なので、元本や利息が保証されていません。投資先の債券価格の変動や、発行体の信用状況が悪化することで、投資元本が目減りするリスクがあります。ただし、一般的に格付けの高い国債や社債など安全性の高い資産が中心のため、実際に元本割れとなるリスクは低めですが、ゼロではない点に注意が必要です。

NISA口座で運用できない

外貨MMFはNISA口座で購入・運用することができません。そのため、特定口座での運用が前提となり、得られた売却益には約20%の税金がかかります。NISAのような非課税メリットが利用できない点は、税制面でのデメリットと言えます。

金利低下による繰上償還のリスク

外貨MMFが投資している短期証券は、政策金利の影響を受けやすいという特徴があります。市場の金利が大きく下がると、MMFの運用が難しくなり、やむを得ず繰上償還されるケースもあります。この場合、自分が想定していないタイミングで資金が返還され、再投資先に困ることもあります。実際、2020年のコロナ禍による世界的な利下げ局面では、多くの外貨MMFが繰上償還を行いました。

信託報酬がかかる

外貨MMFを保有している間は、信託報酬という運用管理費用が日々差し引かれます。このコストはリターンを圧迫する原因となり、特に長期運用を考えている場合は無視できないポイントです。一般的に、米ドル建てMMFでは年率0.7〜1.0%程度の信託報酬が発生します。

為替手数料が発生する

外貨MMFの購入や解約時には、円と外貨の交換にかかる為替手数料も必要です。主要なネット証券では、米ドルあたり片道25銭程度の手数料が一般的ですが、メガバンクなどではさらに高額になることもあります。この手数料は投資コストとして収益に影響を与えるため、注意が必要です。

銘柄の選択肢が少ない

外貨MMFは取り扱っている証券会社が限られているほか、銘柄の選択肢自体も少ない場合があります。特にネット証券でも、NISA対応の投資信託と比べると取扱本数は少なく、投資したい通貨や運用方針に合った商品が見つからない可能性があります。選択肢の少なさは、投資の自由度を狭める要因になります。

外貨MMFは誰に向いているのか

これらのデメリットを理解した上で、外貨MMFへの投資を検討することが重要です。たとえば、元本割れを絶対に避けたい人や、為替変動によるリスクを取りたくない人、短期で大きな利益を求める人には外貨MMFは向かない場合があります。一方で、外貨をすでに保有している人や、低リスクで資産を分散したい人にとっては活用の余地がある商品です。

外貨MMFを選ぶ際は、自分の資産運用の目的やリスク許容度に合った使い方をよく検討することが大切です。

外貨MMFの気になる利回り

外貨MMFの大きな魅力のひとつは、相対的に高い利回りが期待できる点です。特に米ドル建てMMFの場合、2024年9月時点では年率4.5%から4.7%程度の利回りを示すファンドが存在していました。別の情報では、4%から5%前後の利回りが期待できるとも言われています。ただし、2025年3月のデータでは3.6%台の利回りを示すファンドも見られ、利回りには時期やファンドごとに変動があることが分かります。

米ドル以外の主要通貨に目を向けると、たとえば南アフリカランド建てMMFは同時期に7%台の利回りとなっており、さらにトルコリラ建てMMFでは40%を超える非常に高い利回りが提示されることもあります。しかし、利回りが高い通貨ほど、その裏には相応のリスクがあるため注意が必要です。

利回りの背景と動向

外貨MMFの利回りは、各国の短期金利の動向によって大きく左右されます。中央銀行が政策金利を引き上げると、短期金融市場の金利も上昇する傾向にあり、それに連動して外貨MMFの利回りも上がることがあります。逆に、政策金利が引き下げられると、外貨MMFの利回りも低下する可能性があります。また、MMFの運用にかかる信託報酬なども実質的な利回りに影響を与えるため、単純に表面利回りだけを見るのではなく、コストを差し引いた実質利回りを意識することが大切です。

高利回り通貨のリスク

特にトルコリラ建てMMFのような高利回り通貨の商品は、利回りの高さだけを見ると非常に魅力的に映ります。しかし、その背景には高インフレや通貨安といった大きなリスクが存在します。トルコでは長らく高い物価上昇率が続き、通貨の価値が継続的に下がってきました。そのため、過去10年間でトルコリラ円の為替レートは大幅に下落しています。たとえトルコリラ建てMMFで40%の利回りを得たとしても、円に換算したときに為替差損が発生し、結果的に元本を大きく割り込む可能性があります。したがって、高利回りだけを理由に安易に投資することは慎重に考えるべきです。

円預金や外貨預金との比較

円建ての預金金利は、現在も非常に低い水準にとどまっています。メガバンクでは年率0.001%ほど、一部のネット銀行でも0.1%前後と、ほとんど利息がつかない状況です。一方で、外貨預金の場合は通貨や預入期間によって異なるものの、たとえば米ドル建て定期預金では3.0%から4.5%程度の金利がつくこともあります。このような状況を踏まえると、外貨MMFは一般的に外貨預金よりも高い利回りが期待できるケースがあり、利回りを重視する人には一つの選択肢となるでしょう。

ただし、外貨MMFは投資信託の一種であるため元本保証がなく、預金保険制度の対象にもなりません。外貨預金とは異なり、元本割れのリスクがある点は十分に理解しておく必要があります。利回りの高さと引き換えにどの程度のリスクを取るのか、自分の投資スタイルに合った選択が求められます。

外貨MMFはどこで買うのが良い?

外貨MMFに投資する際、どの証券会社を選ぶかは非常に重要なポイントです。特に、取扱通貨の種類、為替手数料、最低取引金額、そして自動買付などのサービス内容は、投資効率や利便性に大きな影響を与えます。

一般的に、ネット証券は実店舗を持たない分、手数料が比較的安く設定されているため、外貨MMFの購入先として有力な選択肢となります。以下は、主要なネット証券における外貨MMFの取扱状況の例です。

証券会社ごとの特徴

SBI証券では、米ドル、南アフリカランド、トルコリラ建ての外貨MMFを取り扱っており、為替手数料は1米ドルあたり20銭からとなっています。最低取引金額は5,000円からと比較的始めやすい水準です。楽天証券も同様に複数通貨のMMFを扱っており、最低1,000円前後から購入可能で、為替手数料は25銭からとやや高めですが、使い慣れたプラットフォームで取引できる点が魅力です。

マネックス証券も米ドル、南アフリカランド、トルコリラに対応しており、特に米ドルの為替手数料は0.2~0.9銭と細かい調整があるため、細かいレートで取引したい人にはメリットがあります。最低取引金額も1,000円からと低く、初心者でも始めやすいでしょう。

注目したいのはウィブル証券です。米ドル建てMMFに特化していますが、為替手数料は15銭と比較的低水準で、さらにMoneybull(マネーブル)という自動買付サービスが利用できます。このサービスを使えば、証券口座に余っている米ドルを自動的にMMFへ振り向けて運用することができ、非常に効率的な資金活用が可能です。特に米国株投資などで米ドルが余りやすい人にとっては利便性の高い選択肢といえます。

松井証券や三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)でも米ドルやその他通貨の外貨MMFが扱われていますが、最低取引金額が1万円からとやや高めの設定となっているため、まとまった資金で運用を考えている人向けです。

証券会社 取扱通貨 為替手数料(1米ドルあたり) 最低取引金額 自動買付
SBI証券 米ドル、南アランド、トルコリラ 20銭~ 5,000円~ なし
楽天証券 米ドル、南アランド、トルコリラ 25銭~ 1,000円前後~ なし
マネックス証券 米ドル、南アランド、トルコリラ 米ドル: ±0.2~0.9銭、
他: 25銭~
1,000円~ なし
ウィブル証券 米ドル 15銭 特になし あり(Moneybull
松井証券 米ドル 20銭 1万円~ なし
三菱UFJ eスマート証券
(旧 auカブコム証券)
米ドル、南アランド、トルコリラ 20銭~ 1万円~ なし

証券会社選びのポイント

どの証券会社を選ぶべきかは、投資したい通貨や手数料の水準、取引金額、サービス内容によって変わります。たとえば、米ドル建てMMFへの投資であれば為替手数料が安く、自動買付サービスも提供しているウィブル証券が非常に便利でしょう。一方で、複数の外貨MMFを分散投資したい場合は、SBI証券や楽天証券など幅広い通貨を扱う証券会社が適しています。

また、すでに利用している証券口座との一元管理を重視するなら、現在メインで使っている証券会社で外貨MMFの取扱いがあるかを確認し、口座を分けずに取引できるメリットも検討材料となります。

最終的には、各証券会社が提供する通貨の種類、為替手数料、最低取引金額、そして自動買付の有無といった条件を総合的に比較し、自分の投資スタイルや資金計画に合った会社を選ぶことが重要です。安易に手数料だけで選ぶのではなく、長期的な運用のしやすさやサポート体制も含めて検討することをおすすめします。

手数料の比較

外貨MMFを選ぶ際、手数料は最終的なリターンに大きな影響を与えるため、しっかりと比較することが重要です。特に、為替手数料と信託報酬は、投資パフォーマンスを左右する大きな要素となります。

取引手数料は原則無料

多くの証券会社では、外貨MMFの購入や売却時の取引手数料は無料とされています。これは、外貨MMFの大きなメリットの一つであり、コスト面で投資しやすい商品と言えます。

証券会社ごとの為替手数料比較

外貨MMFでは、取引手数料は無料でも、為替手数料が発生する点に注意が必要です。為替手数料は、円を外貨に交換する際、または外貨を円に戻す際にかかるコストで、証券会社ごとに異なります。特に、頻繁に売買する場合は、この手数料の違いが累積し、最終的なリターンに影響を与えます。

主要証券会社の為替手数料(1米ドルあたり)

  • ウィブル証券:15銭
  • SBI証券:20銭~
  • 楽天証券:25銭~
  • 松井証券:20銭
  • マネックス証券:米ドル建ては片道0.2~0.9銭、その他通貨は25銭~
  • 三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券):20銭~
  • 大和証券:外国為替市場に準じたレート(具体的な手数料は非公開)
  • 野村證券(豪ドルMMF):売買時に80銭

このように、同じ米ドル建てMMFでも、証券会社によって為替手数料に差があることが分かります。ウィブル証券の15銭やマネックス証券の0.2銭(※条件による)は特に低コストであり、為替手数料を抑えたい人にとって有利です。

信託報酬(管理費用)も重要

外貨MMFには、ファンドの運用管理費用である信託報酬が発生します。これは保有期間中に毎日差し引かれるコストで、一般的には年率0.7%から1.0%程度が目安とされています。信託報酬は目論見書などに記載されており、実際の利回りから自動的に差し引かれて反映されます。そのため、表面利回りが同じでも、信託報酬が低いファンドの方が実質リターンは高くなる可能性があります。

その他のコスト

外貨MMFには、信託報酬以外にも間接的なコストがかかる場合があります。

  • 監査報酬
  • 信託財産にかかる税金
  • 証券売買の委託手数料
  • 外貨建て資産の保管費用

これらのコストはファンドごとに異なり、最終的なリターンに影響するため、慎重な比較が必要です。

どの証券会社を選ぶべきか?

外貨MMFの実質的なコストを比較する際には、単に取引手数料が無料かどうかだけでなく、為替手数料や信託報酬も含めて総合的に判断することが求められます。

  • 為替手数料を抑えたいなら ウィブル証券マネックス証券 が有力な選択肢
  • 長期保有を前提とする場合は、信託報酬の低いファンド を選ぶことが重要
  • すでに利用している証券会社と統一したいなら、取扱通貨や利便性 も考慮する

どの証券会社で外貨MMFを購入するかは、取引の頻度、投資金額、どの通貨で運用するかといった自分自身の投資スタイルによって異なります。コストを抑えたいのか、利便性を重視するのか、自動買付サービスが必要なのかなど、目的に応じた証券会社の選択が最終的なリターンを左右します。

したがって、「どこが安いか」ではなく、「自分の投資目的に最適な証券会社」を選ぶことが、外貨MMF投資を成功させるカギとなります。

大手証券会社における取り扱い例

外貨MMFを取り扱っている大手証券会社では、選べる通貨やファンドが異なります。投資したい通貨や目的に応じて、証券会社を選ぶことが大切です。以下に、主要な証券会社ごとの取り扱いファンドをまとめます。

大和証券

  • ダイワ外貨MMF(米ドル建て)
  • 外貨MMF自動買付サービスを提供

SBI証券

  • 米ドル建てMMF
    • ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド
    • SBI岡三・USドル・マネー・マーケット・ファンド
    • ゴールドマン・サックス・USドルMMF
  • 南アフリカランド建てMMF
    • ホライズン・トラスト-南アフリカ・ランド・マネー・マーケット・ファンド
  • トルコリラ建てMMF
    • トルコ・リラ・マネー・マーケット・ファンド

楽天証券

  • 米ドル建てMMF
    • ノーザン・トラスト・米ドル・リクイディティ・ファンド(楽天・米ドルMMF)
    • 日興USドルMMF
    • ゴールドマン・サックス・米ドルファンド
  • 南アフリカランド建てMMF
    • ホライズン・トラスト-南アフリカ・ランド・マネー・マーケット・ファンド
  • トルコリラ建てMMF
    • マルチ・ストラテジーズ・ファンド-トルコリラ・マネー・マーケット・ファンド

マネックス証券

  • 南アフリカランド建てMMF
    • ホライズン・トラスト-南アフリカ・ランド・マネー・マーケット・ファンド
  • トルコリラ建てMMF
    • マルチ・ストラテジーズ・ファンド-トルコリラ・マネー・マーケット・ファンド

ウィブル証券

  • 米ドル建てMMF(Moneybull〈マネーブル〉として提供)
    • ゴールドマン・サックス・USドルMMF 自動買付サービスあり

松井証券

  • 米ドル建てMMF

証券会社選びで注意すべきポイント

このように、証券会社ごとに取り扱う通貨やファンドが異なります。特に、米ドル以外の通貨で運用したい場合は、対象通貨を扱っている証券会社かどうかを確認することが重要です。

また、外貨MMFごとに異なる信託報酬や利回り、手数料、リスク水準も考慮する必要があります。同じ通貨建てのMMFでも、ファンドごとにコストや運用方針に差があるため、単純に利回りだけで判断せず、総合的なコストやリスクを見極めることが大切です。

実際に投資する前には、必ず各証券会社の公式ウェブサイトで最新の商品ラインナップや詳細な条件、コスト、リスク情報を確認するようにしましょう。信託報酬などの費用も商品ごとに異なるため、こうした情報も含めて検討することが、外貨MMFを有効に活用するポイントとなります。

口コミサイトなどで注目されている商品

外貨MMFを選ぶ際、実際に利用している人の口コミや情報サイトの意見も参考になります。ここでは、口コミや投資家の間で注目されている外貨MMFの商品を紹介します。ただし、利回りや条件は常に変動するため、最新情報は必ず各証券会社の公式サイトで確認してください。

注目されている外貨MMF

ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド(米ドル建て)

SBI証券で取り扱われており、余裕資金の置き場所として利用されることが多い商品です。利率が高いとされることもあり、以前は最も利回りが良かった時期もあったとされています。信託報酬が比較的低めという意見もありますが、他商品との利回り差の詳しい理由は不明です。

SBI岡三・USドル・マネー・マーケット・ファンド(米ドル建て)

利回り4.2234%(言及当時)と具体的な数値が挙げられています。比較的新しい商品として知られています。

ノーザン・トラスト・米ドル・リクイディティ・ファンド(楽天・米ドルMMF)(米ドル建て)

楽天証券で取り扱いがあり、利回りは4.238%(言及当時)。運用会社はノーザン・トラスト・グローバル・インベストメンツ・リミテッド。1,000円前後から買付可能で、買付や換金時の手数料は無料。為替スプレッドは米ドル片道25銭です。

日興USドルMMF(米ドル建て)

楽天証券やSBI証券で取り扱いがあり、利回りは4.140%~4.724%(言及当時)との情報があります。運用会社は日興アセットマネジメント ヨーロッパリミテッド。マネックス証券では直近7日間平均利回り(課税前)3.686%(2025年3月12日現在)とされています。信託報酬の上限は年率0.91%。

ゴールドマン・サックス(米ドル建て)

SBI証券、楽天証券、ウィブル証券で取り扱い。SBI証券での年率換算利回り例は4.6490%(2024年9月18日現在)。楽天証券では「ゴールドマン・サックス・ユニット・トラスト(アイルランド)」として紹介されています。

ホライズン・トラスト(南アフリカランド建て)

SBI証券、マネックス証券で取り扱い。SBI証券での年率換算利回りは7.1900%(2024年9月18日現在)、マネックス証券では6.512%(2025年3月12日現在)。管理報酬は年率1.05%と固定報酬(年間170,000ランド)がかかります。

トルコ・リラ・マネー・マーケット・ファンド(トルコリラ建て)

SBI証券、楽天証券、マネックス証券で取り扱い。SBI証券での年率換算利回りは40.627%(2024年9月18日現在)と非常に高い一方で、為替リスクも大きいと指摘されています。マネックス証券の直近7日間平均利回り(課税前)は37.605%(2025年3月12日現在)。

ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド(豪ドル建て)

ある情報源で「年5%の利息」と言及されています(時点は不明)。取引時の為替手数料として80銭がかかるとされています。

利用者の口コミを参考にする際の注意点

これらの商品は、あくまで口コミや情報サイトで注目されている一例であり、必ずしもすべての投資家に適しているわけではありません。特に、高利回りのトルコリラ建てや南アフリカランド建ての商品は、為替リスクや政治リスクが高いため、慎重な検討が必要です。

また、利回りの高い商品ほど、信託報酬やその他のコストが割高な場合もあります。投資する際には、利回りだけでなく、信託報酬や為替手数料、その他の費用、リスクなどを総合的に判断することが重要です。

投資前に確認すべきポイント

  • 最新の利回りと手数料情報(証券会社公式サイトで確認)
  • 信託報酬などのコスト
  • 為替リスクや国別の政治・経済リスク
  • 元本保証がないこと

このように、口コミで人気の商品でも、自分の投資目的やリスク許容度に合っているかを慎重に考えることが大切です。特に外貨MMFは為替の動きによって円換算での価値が大きく変動するため、短期的な利回りだけにとらわれず、長期的な視点で判断しましょう。

外貨MMFの買い方 ― 基本的な流れと注意点

外貨MMFを購入するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、一般的な購入の流れと注意点についてわかりやすく説明します。

口座開設をする

まず、外貨MMFを取り扱っている証券会社で口座を開設する必要があります。外貨MMFは証券会社や一部の銀行で取引できますが、ネット証券を利用する場合は為替手数料が比較的低く設定されていることが多く、コストを抑えたい人におすすめです。代表的なネット証券としては、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、ウィブル証券、松井証券、三菱UFJ eスマート証券などがあり、これらの会社で外貨MMFの取引が可能です。

口座開設の際は、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類が必要になります。また、総合取引口座に加えて、外貨MMF専用の口座が必要になることもあります。ほとんどの証券会社では口座開設は無料で行えます。

資金を入金する

口座を開設したら、取引に必要な資金を証券会社の口座に入金します。日本円での入金(円貨決済)と、あらかじめ外貨を用意して入金する(外貨決済)の2種類の方法があります。たとえば米ドル建てMMFを購入する場合、円で入金して証券会社でドルに両替する方法と、自分で用意した米ドルを直接入金する方法があります。ただし、外貨での入金が可能かどうか、対応している通貨は証券会社によって異なるため、事前に確認が必要です。

購入したい外貨MMFを選ぶ

資金の準備ができたら、証券会社のウェブサイトやアプリから購入したい外貨MMFを選びます。商品を選ぶ際には、必ず目論見書を確認し、ファンドの内容やリスク、手数料などを理解してから注文しましょう。外貨MMFには最低取引金額が設定されていることがあり、楽天証券では1,000円前後から、マネックス証券では1,000円相当額以上の外貨から購入できる場合もあります。ウィブル証券では最低取引金額の制限がないため、少額から始めたい人にも使いやすいです。

また、外貨MMFを購入する際は、そのときの為替レートを必ず確認することが大切です。為替レートの動きによっては、希望する購入金額と実際に必要な資金が異なる場合があります。マネックス証券などでは、注文時に適用される為替レートを事前に確認することが可能です。

手数料を確認する

外貨MMFの取引手数料は、ほとんどの証券会社で無料とされていますが、円と外貨の交換時には為替手数料(為替スプレッド)がかかります。この為替手数料は証券会社や通貨によって異なり、購入時や換金時にコストとして発生します。たとえばウィブル証券では比較的低い為替手数料が設定されており、コストを抑えたい人に適しています。また、SBI証券ではインターネットコースの顧客向けに、米ドル/円のリアルタイム為替手数料が無料化されるサービスもあります。購入前には、これらの手数料を必ず確認し、総コストを把握しておくことが重要です。

注文を確定する

購入する外貨MMFと金額、適用為替レートなどを確認したら、注文内容を確定させます。内容に誤りがないかをしっかり確認し、確定ボタンを押せば購入完了です。

外貨MMF購入時の注意点

外貨MMFの購入にあたっては、以下の点に注意が必要です。

まず、外貨MMFは為替変動の影響を強く受けます。たとえば購入後に円高が進むと、外貨MMFの基準価額が変わらなくても、円換算での評価額が下がる可能性があります。そのため、為替リスクを十分理解したうえで投資することが重要です。

また、為替手数料も無視できないコストです。証券会社によっては手数料が高めに設定されている場合があるため、複数の証券会社の条件を比較することをおすすめします。さらに、外貨MMFの商品ごとに異なる信託報酬などの管理コストも確認する必要があります。信託報酬が高いファンドを選んでしまうと、利回りがよくても実質的な収益が減る場合があるため注意しましょう。

以上が、外貨MMFの基本的な買い方と注意点です。証券会社ごとに細かな手続きや条件が異なる場合があるため、実際の購入にあたっては、各証券会社の公式サイトやサポートを通じて最新情報を確認することをおすすめします。

PR

📢 お金の教養を無料で学ぶチャンス!
資産運用・節約・保険・投資信託など、お金の基本を学べる【お金の教養講座】を無料開催中!
✅ 初心者でも安心! ファイナンシャルアカデミーの専門講師が解説
✅ お金の不安を解消! 貯蓄・投資・年金・税金の仕組みがわかる
✅ 受講はオンラインOK! スマホ・PCでどこでも参加可能
📍 無料講座の詳細・申し込みはこちら ⬇️
👉 お金の教養講座をチェック

外貨MMFはどこがいい?選ぶ前に知っておきたい基礎知識と注意点

  • 外貨MMFの収益はどのように確定する?
  • 長期運用 ― 資産形成には向いている?
  • 外貨MMFと外貨預金の違い
  • MRF(マネー・リザーブ・ファンド)との違い
  • 自分に合った外貨MMFの選び方
  • 注意事項・免責事項

外貨MMFの収益はどのように確定する?

外貨MMFの収益は、大きく分けて「分配金(利息)」と「為替差益(または為替差損)」の2つの要素によって確定します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

分配金(利息)

外貨MMFは、主に投資先の短期金融商品から得られる利息をもとに運用されています。そのため、毎営業日ごとに利息に相当する分配金がファンド内で評価されています。通常、この分配金は毎月末に自動的に元本に再投資される仕組みとなっており、投資家の手元に現金として支払われるのではなく、ファンドの基準価額の中に組み込まれていきます。これは、日々少しずつ利息が付いているようなイメージです。

また、もし月の途中で外貨MMFをすべて売却した場合でも、その売却日までに発生した分配金は反映されるため、保有期間に応じた利息相当の収益は受け取ることができます。なお、この分配金はあらかじめ信託報酬などの管理費用が差し引かれた後の金額となるため、利息のすべてが受け取れるわけではありません。

為替差益(または為替差損)

外貨MMFは外貨建てで運用されるため、日本円に換金する際には為替レートの変動による損益が発生します。たとえば、購入時よりも円安が進んでいるときに円に換金すれば、その分だけ為替差益が得られます。一方、購入時よりも円高が進んでしまっている場合には、為替差損が発生し、最終的な受取額が減少することになります。

外貨MMFをドルで購入してドルで売却する場合、外貨ベースでの損益は為替の影響を受けませんが、日本円に換金する時点では為替の影響を受けるため、円ベースでの収益を考える場合には為替リスクを無視することはできません。特に外貨MMFは外貨での運用益を狙う商品なので、為替レートの変動が収益に大きく影響する点に注意が必要です。

税金についての取り扱い

外貨MMFの分配金や、解約時に発生する為替差益を含む売却益は、税務上「譲渡所得」として扱われます。雑所得ではないため、他の株式や投資信託の利益と損益通算が可能です。

特定口座(源泉徴収あり)を利用して取引している場合は、証券会社が税金(所得税、復興特別所得税、住民税を含め約20.315%)を自動的に計算・徴収してくれるため、原則として確定申告は不要です。ただし、一般口座で取引している場合や、他の譲渡所得と合算したい場合には、自分で収益を計算し確定申告を行う必要があります。

また、外貨MMFの税務計算は2016年以降のルールにより、購入時の為替レートと売却時の為替レートをもとにした譲渡益計算となります。このため、外貨建てMMFの利益計算は単なる売却額の差額ではなく、為替レートを含めた計算が求められます。

外貨MMFの収益が決まる仕組みのまとめ

以上のように、外貨MMFの収益は「日々積み上がる分配金(利息)」と「売却時の為替差益または差損」の2つの要素によって決まります。保有している間は分配金によって資産が徐々に増えていきますが、最終的に円に戻す際の為替レート次第では、想定した利益を得られない場合や、元本割れとなるリスクもある点に注意が必要です。

したがって、外貨MMFを購入する際には、単に利回りだけを見るのではなく、自分のリスク許容度や為替動向も踏まえて慎重に判断することが大切です。

長期運用 ― 資産形成には向いている?

外貨MMFは、いつでも解約ができる流動性の高さと、少額から投資できる手軽さから、一般的には短期的な資金の置き場所として利用されることが多い金融商品です。たとえば、次の投資先が決まるまでの待機資金や、外貨で受け取った一時的な余剰資金を運用する手段としてよく活用されています。

長期運用の選択肢としての外貨MMF

一方で、外貨MMFを長期的な資産運用の一部として活用する方法もあります。たとえば、日本株などのリスク資産と外貨MMFを組み合わせることで、ポートフォリオ全体の価格変動リスクを抑える効果が期待できます。また、円だけでなく外貨資産も持つことで、地域や通貨の分散投資が可能になり、資産全体の安定性を高めることができます。外国株を売却して得た外貨を、次の投資機会まで外貨MMFで一時的に運用する方法も、実際によく行われている活用法の一つです。

長期運用におけるリスクと注意点

ただし、外貨MMFを長期運用する場合は、いくつかのリスクも十分に理解しておく必要があります。最大のリスクは為替変動リスクです。長期保有している間に為替レートが不利な方向に動くと、円換算での資産価値が大きく下がる可能性があります。特に、トルコリラのような高金利通貨は過去10年間で大幅な下落を経験しており、高い利回りを得ていても為替差損で大きな損失となる場合があります。

また、金利変動リスクも無視できません。外貨MMFの投資対象は短期金融商品であるため、その通貨の政策金利が引き下げられると利回りも低下します。今は高金利でも、将来的な金利低下によって収益が減少するリスクがあります。さらに、外貨MMFは元本保証ではないため、外貨ベースでも市場環境によっては元本割れのリスクがある点も理解しておく必要があります。

長期資産形成での活用法と工夫

こうしたリスクを踏まえたうえで、長期的な資産形成の手段として外貨MMFを活用する方法として、ドルコスト平均法(定額積立)があります。たとえば、毎月一定額ずつ外貨MMFを積み立てることで、為替レートの変動リスクを平準化し、購入価格を平均化することができます。これにより、高値づかみのリスクを抑える効果が期待できます。

外貨MMFだけではなく他資産との組み合わせが重要

ただし、外貨MMFは安全性の高い短期金融商品を中心に運用されているため、株式やリスク資産と比べるとリターンが低い傾向にあります。そのため、長期的な資産形成を目指す場合には、外貨MMFだけでなく、より高いリターンが期待できる株式や外貨建て債券など、他の投資商品も併用することが重要です。外貨MMFは、ポートフォリオの一部としてリスク分散や短期資金の管理を目的に活用するのが、より適した使い方と言えるでしょう。

外貨MMFと長期運用のまとめ

外貨MMFを長期的に活用する場合は、為替リスクや金利変動リスク、元本保証がない点などをよく理解した上で、自分の資産全体の中でどのような役割を果たすのかを考えることが大切です。単独で長期資産形成を目指すというよりも、ポートフォリオ全体の安定性を高める補完的な役割として、外貨MMFを活用するのが現実的な方法と言えるでしょう。

外貨MMFと外貨預金の違い

外貨MMFと外貨預金はどちらも外貨を使って資産運用を行う方法ですが、その仕組みや特徴にはいくつか大きな違いがあります。それぞれの違いを理解することで、自分に合った外貨運用の方法を選ぶことができます。

取扱機関の違い

まず、取扱機関が異なります。外貨預金は主に銀行で取り扱われており、店舗型の銀行からインターネット銀行まで幅広く商品が提供されています。一方で、外貨MMFは主に証券会社が取り扱っており、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などのネット証券を通じて取引されるのが一般的です。この違いから、日常的に銀行取引をしている人は外貨預金を選びやすく、証券会社を使って資産運用をしている人は外貨MMFが選ばれる傾向にあります。

金利・利回りの違い

金利や利回りにも違いがあります。外貨預金は、銀行が提示する定められた金利に基づき、預入期間や金利タイプ(固定・変動)によって利息が決まります。これに対し、外貨MMFは格付けの高い短期金融商品に投資して運用されるため、市場の金利動向によって利回りが日々変動します。一般的には、外貨MMFの方が相対的に高い利回りを期待できることが多いですが、将来の利回りは市場次第という側面もあります。

税制面の違い

税制面でも両者は大きく異なります。外貨預金の利息は源泉分離課税の対象となり、為替差益が発生した場合には年間20万円を超えると雑所得として確定申告が必要になります。一方、外貨MMFの分配金は利子所得として源泉徴収され、売却益(為替差益も含む)は譲渡所得として課税されます。特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、自動的に税金が差し引かれるため、原則として確定申告は不要です。また、外貨MMFの譲渡益は株式や投資信託など他の金融商品の譲渡損益と通算できるため、税制面では外貨MMFの方が有利な場合が多いとされています。

流動性の違い

流動性については、どちらも基本的にいつでも解約や払い出しが可能です。ただし、外貨MMFのほうが一部解約に対応している場合もあり、必要な分だけ解約できる柔軟さがあります。

元本保証とリスクの違い

元本保証については大きな違いがあります。外貨預金は、外貨そのものに対しては元本保証がありますが、円から外貨に換える場合は為替変動によって元本割れとなるリスクがあります。一方、外貨MMFは投資信託であるため元本保証はありませんが、格付けの高い安全性の高い短期金融商品に投資しているため、外貨ベースでの元本割れリスクは比較的低いとされています。

手数料の違い

手数料にも違いがあります。外貨預金では、預け入れ時や払い戻し時に手数料がかかる場合があり、為替手数料も高めに設定されていることが一般的です。たとえば、楽天証券の情報では米ドル建ての外貨預金が往復1円80銭~であるのに対し、外貨MMFでは往復50銭~と、外貨MMFのほうが為替手数料が低い傾向にあります。また、外貨MMFの購入時の売買手数料は無料であることが多いですが、保有期間中に信託報酬という運用管理費用が発生します。

資産保護の違い

資産保護の面でも違いがあります。外貨預金は預金保険の対象外であり、万が一銀行が破綻した場合でも預金保険による保護は受けられません。一方、外貨MMFは証券会社によって分別管理が義務付けられており、万が一証券会社が破綻した場合でも投資家の資産は守られる仕組みになっています。この点からも、資産の安全性という観点で外貨MMFに安心感を感じる人もいます。

外貨MMFと外貨預金、どちらを選ぶべきか

このように、外貨MMFと外貨預金にはさまざまな違いがあります。短期的な利息目的や銀行口座から手軽に始めたい人には外貨預金が向いているかもしれませんが、税制や手数料の面で有利な運用を重視する場合には外貨MMFの方が適している場合があります。また、資産を分散しながら長期的に外貨での運用を考えている場合も、外貨MMFは有効な選択肢となります。どちらが自分に合っているのかは、目的や資産運用の方針によって異なるため、それぞれの特徴を踏まえて選ぶことが大切です。

MRF(マネー・リザーブ・ファンド)との違い

外貨MMFとよく比較されるものとして、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)があります。どちらも投資信託の一種であり、短期金融商品を中心に運用される点では共通していますが、その役割や特徴には明確な違いがあります。

取引の仕組みと買付方法の違い

最大の違いの一つは、買付方法にあります。MRFは証券総合口座と連動しており、口座に入金された資金や株式などの売買代金が自動的にMRFへ投資される仕組みです。つまり、投資家が特に指示を出さなくても自動的に資金がMRFで運用されるため、手間なく活用できます。一方、外貨MMFは自動買付が基本的には行われず、投資家が自分で購入の指示を出す必要があります。ただし、一部の証券会社では外貨MMFの自動買付サービスを提供している場合もありますが、一般的には任意のタイミングで投資家が自分で買付判断を行います。

手数料とコストの違い

手数料についても両者は異なります。MRFは通常、購入や解約時に手数料がかかることはありません。一方で、外貨MMFは為替取引を伴うため、円と外貨の交換時に為替手数料がかかります。また、保有期間中には信託報酬という運用管理費用が発生するため、外貨MMFの方がコスト面でやや負担が大きいといえます。

投資対象と通貨の違い

MRFと外貨MMFでは、投資対象となる通貨も大きく異なります。MRFは円建ての資産を対象としており、日本の短期国債や社債などを中心に運用されます。それに対して外貨MMFは、米ドルや南アフリカランドなどの外貨建ての短期金融商品を中心に運用されるため、外貨での利回りを得たい場合に活用されます。このため、外貨MMFは為替変動による利益(為替差益)を狙うことも可能ですが、その分為替リスクも伴います。

利回りの違い

一般的に、外貨MMFの方がMRFよりも高い利回りが期待できます。これは、米ドルや新興国通貨の金利水準が日本円よりも高いことが多いためです。MRFは日本の超低金利環境の影響を受けているため、利回りは非常に低く抑えられています。一方で、外貨MMFは外貨建ての金利が反映されるため、相対的に高い利回りを享受できる可能性があります。

利用目的の違い

MRFは、証券口座内での資金管理や一時的な資金の置き場所として使われることが多い商品です。株式や投資信託を売却した資金を、次の投資まで一時的に安全に保管しておくための役割が中心です。一方で、外貨MMFは単なる待機資金の運用だけでなく、外貨資産として保有し続ける目的や、為替差益の獲得、外貨建てでの分散投資といった目的でも利用されます。

このように、MRFと外貨MMFは同じ「短期金融商品を中心に運用する投資信託」でも、取扱通貨、運用目的、利回り、手数料、買付方法などにおいて大きな違いがあります。MRFは円建てで証券口座内の資金管理を目的とした商品であり、外貨MMFは外貨建ての利回りや分散投資、為替差益を狙うための商品です。そのため、自分の資産運用の目的に応じて、どちらを使うべきかを判断することが大切です。

自分に合った外貨MMFの選び方

外貨MMFは、相対的に高い利回りが期待できる一方で、元本保証がなく、為替変動リスクを伴う金融商品です。いつでも解約ができる流動性の高さや、少額から始められる手軽さ、売買手数料が原則無料であることなど、多くのメリットがあります。また、外貨預金と比べて税制面で有利な場合があることも見逃せないポイントです。

ただし、為替相場の変動による損失リスクや、金利低下に伴う繰上償還の可能性、信託報酬といった保有コスト、そして取引できる銘柄が限られている点など、外貨MMFならではのデメリットも理解しておく必要があります。そのため、外貨MMFは短期的な利益を狙うよりも、余剰資金を一時的に運用する目的で使われることが一般的です。

目的に合わせた選び方が大切

自分に合った外貨MMFを選ぶには、まず「何を重視するのか」を明確にすることが重要です。たとえば、できるだけ高い利回りを重視するのか、それとも手数料の低さを重視するのかによって、選ぶべき商品や証券会社は異なります。また、運用したい通貨も大切なポイントです。米ドル、ユーロ、南アフリカランド、トルコリラなど、どの通貨を選ぶかによって、利回りやリスクは大きく変わります。

さらに、取引ツールの使いやすさや、自動買付機能の有無といった点も考慮すべき要素です。自動買付に対応していれば、外貨MMFを手間なく積み立てることができ、特に忙しい人や長期的な資産形成を考えている人にとって便利な機能となります。

証券会社の比較も忘れずに

そのためには、複数の証券会社を比較することが欠かせません。取扱通貨の種類、為替手数料、信託報酬、最低取引金額などは証券会社ごとに異なるからです。たとえば、ウィブル証券のように為替手数料が比較的安く、最低取引金額が設定されておらず、自動買付に対応している証券会社もあります。また、SBI証券や楽天証券も多様な通貨の外貨MMFを扱っており、検討する価値があります。

自分の投資スタイルに合わせた判断を

最終的にどの外貨MMFを選ぶかは、自分の投資目的やリスク許容度に応じて慎重に判断する必要があります。短期的な資金の一時的な運用なのか、それとも長期的な資産分散の一部として利用するのかによって、選び方も異なるでしょう。また、為替変動によるリスクをどの程度受け入れられるかを考えることも重要です。

外貨MMFは便利な金融商品ですが、リスクも伴います。そのため、自分にとって最適な使い方をよく考えたうえで、目的に応じた商品と証券会社を選ぶようにしましょう。

注意事項・免責事項

外貨MMFは、預貯金とは異なり元本や利息の保証がない金融商品です。投資先である国債や地方債、社債などの価格変動、金利の変動、発行体の信用状況の変化、さらには為替相場の変動などによって、投資元本を下回る可能性があります。一般的に外貨MMFは信用度の高い短期金融商品を中心に運用されているため、ファンドそのものの元本割れリスクは比較的低いとされていますが、外貨で運用される以上、為替レートの変動によるリスクを避けることはできません。

特に注意すべきなのが為替変動リスクです。たとえ外貨建てでの元本は維持されていても、為替相場が円高に振れた場合、円換算した際の資産価値が目減りし、結果的に円ベースでは損失が生じることもあります。したがって、外貨MMFの運用では、為替相場の動向を理解し、自身のリスク許容度を踏まえて慎重に判断することが重要です。

また、外貨MMFは預金保険制度の対象ではありません。万が一、取引している証券会社が破綻した場合でも、顧客の資産は分別管理によって守られますが、資産の元本や利息が保証されるわけではない点に留意が必要です。

なお、当記事は外貨MMFに関する一般的な情報を提供するものであり、特定の金融商品や証券会社を勧誘・推奨する目的はありません。外貨MMFへの投資を行う際は、必ずご自身の投資目的、リスク許容度、資産状況などを総合的に検討した上で、自己責任で判断する必要があります。最終的な投資判断については、ご自身の責任で行ってください。

もし外貨MMFに関して不明点がある場合や、具体的な投資判断に迷う場合は、必ず事前に証券会社の担当者や信頼できる金融アドバイザーなど、専門家に相談することをおすすめします。また、実際に投資を行う際には、証券会社が提供する投資信託説明書(交付目論見書)やその他の関連資料をよく読み、商品の仕組み、リスク、手数料、運用方針などについて十分に理解した上で取引を行うようにしてください。

外貨MMFを買うならどこがいい?選び方のポイント:まとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 外貨MMFは安全性の高い短期金融商品に投資する商品
  • 円預金や外貨預金より高い利回りが期待できる
  • 元本保証はなく為替リスクを伴う点に注意が必要
  • いつでも解約できる流動性の高さが魅力
  • 1,000円程度から始められるため初心者にも向いている
  • 外貨MMFは証券会社で購入できる
  • ネット証券では為替手数料が低めでおすすめ
  • ウィブル証券は為替手数料が安く自動買付に対応
  • SBI証券や楽天証券は多様な通貨に対応している
  • 外貨MMFは売買手数料が無料で信託報酬のみかかる
  • 為替変動による為替差益・差損が発生する可能性がある
  • 長期運用も可能だが為替リスクや金利変動リスクに注意
  • 外貨MMFは外貨預金より税制面で有利な場合がある
  • MRFと異なり自動買付ではなく手動購入が基本
  • 自分の投資目的とリスク許容度に合わせて証券会社と商品を選ぶ必要がある

-金融・保険